この先、ビジネスをどうやって進めて行くか?
思案中の方も多いと思います。
先日、「商品、地域、業界・客層」などを切り口に自社の
現状を棚卸しすることをご提案しました。
今回はその中でも「業界・客層」、つまり簡単に言えば
「お客さん」について考えてみたいと思います。
「あなたのお客さんはどんな人ですか?」
この問いかけにすぐ答えを返すことはできるでしょうか。
ビジネスを続けていると、当初設定したターゲット客から
徐々に離れてしまったり、より多くのお客を取り込もうと幅が
拡がったりしていることがあります。
ここで改めて自身が本来狙っているお客さんはどのような人か、
問い直してみるのもいいかもしれません。
漠然としたものではなく、具体的に。
それにはターゲットを絞り込む必要があります。
「うん、ウチのターゲットは30代の女性だよ」
これは絞り込まれた具体的なお客さんになるでしょうか・・・
ちょっとなりそうにないですよね 笑
30代の女性でも小さな子供を育てるお母さん、シングルで仕事中心の
生活をしている人、都会暮らしの人・・・色んな人がいるはずです。
自社が狙うお客さんはどんな人か?
究極的にはある個人を設定することになります。
これを「ペルソナ」と言ったりします。
自社を利用して欲しい、理想のお客さん像と思えばいいです。
ここで具体的な事例を見てみましょう。
「無添加、食べるスープ」をコンセプトに首都圏の駅ビル等に60店舗程を
展開する飲食チェーンである㈱スープストックトーキョーのペルソナです。
同社が設定したペルソナ
基本情報:
秋野つゆ 37歳 女性
都内在住
独身か共働きで経済的に余裕がある
都心で働くバリバリのキャリアウーマン
特徴:
社交的な性格
自分の時間を大切にする
シンプルでセンスの良いものを追求する
装飾より機能を好む
まだ他にもありますが、おおよそこんな感じです。
ここまでお客さん像を絞ってくると必然的にやるべきことや方向性、
打ち手が見えてきます。
できるだけ短時間でサービスを提供し、ゆったりしたソファで
寛ぐというより電源を用意して、仕事も出来るようにする。
少々価格は高くても、健康に良い素材を使う。
会社のデスクで食べられるようテークアウトを用意する、など。
他にもターゲットが高齢者であれば、メイン商品を置く高さを
通常より低くする、値札の文字を大きくする。
ベビーカーを押すお母さんがメインであれば通路を広めにして
通行しやすくする。
他にもターゲットによって様々なことが見えてきます。
お客さんの姿を明確にするメリットは幾つもありますが、その中でも
大きなものは、「商品の内容・品揃え、価格、サービスの提供方法、
店舗作りなど、あらゆるものが考えやすくなる」ことです。
万人にアピールしても、それが「刺さる」ことはありません。
小さな会社や弱者は万人ではなく、特定の「秋野つゆ」に働きかける戦略が
重要になります。
さて、あなたが来て欲しいお客さんはどのような人ですか?