以前、会社勤めをしていた時の同僚でちょっとばかし太めの方がいました。
ちょっと…? いや、実際はちょっとどころではないレベルでしたが(笑)
その方がある日、風邪をひいてしまい、医者のもとへ行きました。
太め「先生、風邪ひいたみたいなんですけど」
先生「そんなことより、まず痩せてください」
本人曰く、そんな話が交わされたそうです。
全く会話が噛み合っていませんね(汗)
医者の懸念は分かりますが、風邪でやってきた患者に「まず痩せてから来い」とは
言えないでしょうから、診察と処方はしたのでしょう。
笑い話みたいなことになってますが、これに近いことってビジネスの中でも
起きることがあります。
お客の中に欲しいと思っている商品やサービスがあり、それを求めているのに
他によりいい品質や内容があれば、売る側が良かれと思ってそれを勧めるとか。
先日、区の経営相談窓口に60代の男性がお見えになりました。
相談内容は「会社を設立したい」。
聞けばこれから事業を始めることを考えていて、早急に合同会社を作りたいと。
しかし、少し詳しくお聞きするとその事業という内容があまり固まっていない
のです・・・・・。
こちらとしては当然、会社を作る前に「どんな人に、どんなサービスを、どうやって
届ける」かを明確にすることを進言しましたが、なかなか聞いていただけません。
本人の中では会社をつくる手順や方法を知ることが先なのです。
こうなったらまずは意向を汲んで、先方の望みに応えることが必要になります。
そして、相手の要望を満たしてから、こちらの提言をしていく順番が適当でしょう。
ただ、今回のケースであれば会社を設立した後で提言をしても遅いので、いったん
相手の要望を満たして、聞く耳を持ってもらったらなる早で理由や背景を伝えながら
提言をする必要があります。
第1に顧客が欲しいサービスや情報を提供して要望を満たす。
それにより信頼関係を構築して(ちょっと大袈裟ですが・・・)おいてから、本丸に入る。
そういう2ステップを踏むことになります。
特に形の無いものを商売とする仕事、我々のような士業やサービス業ではこの意識は
重要です。
一足飛びに行きたいところを抑えて、先に相手と信頼関係や相互理解を築く。
そうした上でこちらが必要と考える価値を提供する。
忘れずにいたいと思います。