コロナ禍が各企業の業績に大きな影響を与えています。
残念ながら苦しい経営を余儀なくされる企業が多い一方で、中には業績を向上させて
いる企業もあります。
よく聞くところでは巣ごもり消費に乗ってSwitchや「あつまれ どうぶつの森」が
ヒットした任天堂。
カップ麺「マルちゃん」ブランドの東洋水産。
また手作りマスクの需要が増えて手芸用品専門店の藤久という会社なども好調とのこと。
その他にも厳しい環境下で業績を伸ばしている会社があります。
これらの会社には現在のコロナ禍の環境が追い風として作用しているとこともあるで
しょう。
しかし、それだけでなく各企業がこの状況下で何ができるか、何を求められているかを
考え抜いて対応をしているという一面があるはずです。
ところで話は変わりますが、アメリカにおいて鉄道は日本ほどメインの交通手段に
なっていません。
なぜでしょうね?
国土も広いですし、効率の面から難しいのかもしれませんが、普及度から見れば交通手段としての優先度は低いと言えるでしょう。
しかし、自動車や航空機での移動が一般的になるまではメインの交通手段だったのです。
それが戦後、自動車輸送や航空機輸送が普及して行くに反比例して鉄道は急速に衰退
しました。
事業が縮小して行けば、様々な後ろ向きなことが生じるのは想像に難くありません。
彼ら(鉄道会社)は何も対策を打たなかったのでしょうか?
そこで言われているのは鉄道会社、あるいは鉄道業界は「鉄道事業」へのこだわりが
強すぎたということです。
言い換えると自分達が届けている価値や手掛けている事業は「鉄道」だと思い込んで
いたのです。
これって間違いではありません。
だから、自動車や航空機が普及してきた時に彼らを「競合」だと考えなかったのです。
でも、自分達の事業を「輸送事業」と認識していれば、自動車や航空機の普及は明らかに
「脅威」であり「競合」と認識できたはずです。
そうしていれば何らかの具体的対策を講じて全く違う交通インフラが今頃はできて
いたかもしれません。
余りにも直接的な「製品・サービス志向」に傾倒してしまい、違う視点を持てない、
特に「顧客志向」的な視点が欠如した結果と言えます。
こうした状態のことを「マーケティングマイオピア」とか「近視眼的マーケティング」
とも言います。
さて翻って、今のあなたの会社はいかがですか?
現在の事業について視点を少し変えて、あるいは少し広げて新たに提供できる価値は
ありませんか?
ディズニーランドは「遊園地事業」をしていますが、本当に提供しているのは「夢」や
「ワクワク」や「非日常」なのです。
そういった発想で新たにできることを探してみてはいかがでしょう。
それが厳しい環境下、会社の業績を向上させる一助になるかもしれませんよ。