僕は珈琲がとっても好きで1日に何杯も飲みます。
今はいくつものチェーン店が手軽にコーヒーを提供してくれます。
ところで私の自宅近くの駅前にもドトールコーヒーのお店があったのですが、
残念ながら11月8日で閉店してしまいました。
理由は分かりませんが当然、新型コロナウィルスの影響もあったのでしょう。
ドトールに限らずコーヒーチェーン店の多くはフランチャイズ方式(FC)で
運営されています。
ドトールは全店舗の8割以上、コメダ珈琲では9割以上がFCです。
FCは店舗経営をしたいオーナーからすれば、そのブランドが持つ様々な
ノウハウが得られ、すぐに運営できる特長があります。
ブランド側からすれば、オーナーが店舗運営にかかる費用を負担することで
少ない資金で店舗数の拡大が可能になります。
お互いにメリットがある優れた仕組みなわけです。
だから、あらゆる業種業態でこれだけ広まったのですね。
しかし、環境の変化によってその仕組みがうまく機能しなくなることもあります。
FC加盟店は本部が提供するノウハウやシステム、ブランドロゴなどの使用対価と
してロイヤリティを支払います。
主には「売上高」もしくは「粗利益」に数%を掛けた金額、あるいは定額で
毎月同じ金額を支払う形式です。
ドトールは「売上高×2%」のようですね。
本部にとっては多少の金額の変動はあっても、どの形式を採用しようとも確実に
収入が見込めます。
これが「正しい」かどうか、両者にとって「フェア」かどうかは分かりません。
経済が好調、来店客数が伸びている、今後も成長が見込めるような状況であれば、
FC店としてもロイヤリティに加えて人件費や仕入、家賃などの経費を差し引いても
利益を残せたでしょう。
しかし、新型コロナウィルスの影響が長引く環境下、これまでと同じ客数、売上を
維持するのが難しくなってきました。
そうなると赤字でも支払う必要があるロイヤリティはかなりの痛手と想像します。
必ず儲かる本部と利益を残すのが難しい加盟店との「不平等条約」、現状ではそう
見えなくもありません。
と、そんな中でFC契約に変化を知らせるニュースが。
『コンビニチェーンのミニストップは新たな契約方式導入へ。これまで売上から商品
原価を引いた「粗利益」をロイヤリティの対象としていたが、今後は人件費や商品
廃棄費用なども差し引いた「事業利益」を算出し、これを加盟店と本部で分け合う
仕組みに改める』(報道の内容を筆者要約)
これはこれまでの「常識」を覆す施策です。
「不平等条約」と書きましたが、契約が双方合意でなされていれば「不平等」では
ないとしても、実際には力関係があり、本部側に分があります。
合意の上での契約でも、加盟店としては不満があっても本部が決めたことに
従わざるを得ません。
それでもこれまでは何とかやってこれたものの、コロナ影響下のこの先はかなり
厳しいことになります。
本部としては加盟店が存続できなくなり、閉店が相次ぐことになる事態は自らの
首を絞めることになります。
自分達の利益を削ってでも、グループ全体として生き延びられる可能性を最大化
しなければならない。
そこで契約内容の見直しに至ったのではないでしょうか。
ロイヤリティは残った利益から徴収する。
本部の利益を削り、加盟店の負担を減らして店舗網を維持することを優先する。
この施策が「適切」なのか、他のチェーン店に波及するものなのかは分かりません。
ただ、言えることは周りの環境は変化する。
そして、自分達も変化は避けられないということです。
コロナの影響下にある今は尚更です。
大組織であるミニストップは環境変化に反応して、「契約」の仕組みを変える道を
取りました。
「変化」するって、言うは簡単ですが実際にやることは精神的にも物理的にも
かなりしんどいです。
でも、避けられないことなのですね。
今年はあらゆることが大激変した年でした。
その影響はこれからますます大きく、顕在化してはずです。
「変化」に合わせて、自分達が「変化」すべきところはないか。
『最も変化に対応するものが生き残る』
ダーウィンの言葉を噛みしめながら、改めて考えてみたいと思います。