前々回のブログで「小さな会社」、「業界1位以外の会社」は「弱者の戦略」で
戦おうと書きました。
そう、戦略には「強者の戦略」と「弱者の戦略」の2つがあり、
その中身は全く逆さまのアベコベなのです。
これを理解せずに、あるいはゴチャ混ぜにして経営をしていると業績は
良くなりません。
今回はランチェスター法則による「弱者の戦略」を構成する5つの要素のひとつで
ある「戦略的1位」についてお話します。
「戦略的1位」とは、
「市場シェア1位」であり、その「シェアが26%以上」、そして2位と
「10対6以上の差」があることを意味します。
じつはこれ、「強者」の条件なのです。
つまり、この条件に当てはまらなければ全て「弱者」となります。
「弱者」はこの「戦略的1位」を目指して取組みを行う意識が必要です。
「商品・サービス」、「地域」、「客層」を絞りターゲットを明確にする。
ここで言う「絞る」の意味はターゲットに設定したもの以外は止めましょう、
という意味ではなく(ムダがあれば止める必要があります)、
「No.1を狙う領域を決める」という意味になります。
小さくてもいい、というかできるだけ小さく絞り込んで、1位になれる場で戦う。
それを共有して全員で取り組めば、「戦略的1位」に近づきます。
そうするとどうなるか?
従業員1人あたりの経常利益(営業利益)が業界平均の2~3倍になります。
短期間で自己資本を厚くすることができ、有事にも耐えられるより強い会社に
なることができます。
ちなみに「強者」といえるのは1000社に5社程度しかなく、残りの995社は
「弱者」ということになります。
具体的な「強者」の一例はトヨタ自動車。
2019年における日本国内の新車販売シェアにおいてトヨタは31.0%でトップ。
2位のホンダは14.5%で「10対6以上」の差をつけています。
これトヨタ以外は、ホンダも日産もマツダも「弱者」に該当するということです。
コンビニ業界での「強者」はそう、セブンイレブンですね。
2019年の売上シェアは41.6%、25.3%で2位のファミリーマートとの差は
「10対6」以上。
そして従業員1人あたりの営業利益はセブンが2,694万円、ファミマが731万円と
3.6倍以上の差がついています。
年度やその年の特殊要因なども影響しますので、必ずこのようになるわけでは
ありませんが5年程度のスパンで見れば、当たらずとも遠からずになることが
多くなります。
ここではイメージしやすいように大企業を例にしましたが、あなたの業界に
当てはめて考えてみて下さい。
いずれにしても「戦略的1位」の会社は多くはありません。
なにせ全体の0.5%なのですから。
では、ほとんどの会社が該当する「弱者」は具体的にどのように戦えばいいのか?
それはまた次回以降のブログで触れて行きたいと思います。