あなたの会社では研修ってありますか?
人材育成を重要視している会社は多いので、年間に数回は受講する、
という方もいるでしょう。
私は研修をする立場として講師を務めることがありますが、先週は
運営する側としてリアルの集合研修に携わりました。
多くの研修ではテキスト等を使って基本知識や理論を学び、次に演習として
グループでのディスカッションなどを通して、実践してみるという流れになります。
1人でも本などから学べますが、その内容について他のメンバーと議論すること
で体感したり、別の視点等を得られることが研修の良さ、価値あるところです。
ディスカッションではリーダーを決めて進めることがあり、
決め方はその時々ですが、決まったらディスカッションが始まります。
そしてディスカッションでほとんどの「リーダー」は何をやっているかというと?
「書記」をやっているのです。
もちろんケースや人によって様々ですが、書記係を始めることが多い。
他のメンバーから出て来る意見をホワイトボードに書いたりしている。
意見をまとめようとするけど、意見が出るほど書くことに必死になって
それでころではなかったり(笑)
そして成果物の発表も当然のように自分がする・・・。
これって悪いことではないけど、もったいないような、ちょっと違うような。
講師からの説明不足や初対面のメンバーへの遠慮など、そうなる要因は幾つも
あるかもしれません。
「リーダーの役割はチームのパフォーマンスが最大化するための舵取りですよ」
時には議論開始前にこのような呼びかけをして暗に示唆を与えますが、
それでも大方は先にかいたような行動をとります。
「リーダー」になると全部を背負いこむ。
書記をやって、意見をまとめて、中心になって結論だして、発表して。
だから、誰もリーダーになりたがらない‥‥。
その行動の根底には「リーダー」は他のメンバー(会社であれば部下)よりも
知識豊富だったり、優れてなければならない、という思い込みや深層心理が
あるようにも思えます。
これは僕自身もそうでした。
研修のディスカッションであれば、リーダーは他の誰かを指名して書記をやって
もらい、自分は全体を見ながら議論を活性化させることに注力する。
発言しやすい雰囲気を作り、どんな意見でもいったん受け入れて、その上でより
多様な意見を引き出す。
何か言いたそうな人がいれば声をかけて言葉に出してもらう。
曖昧な表現や幾つかの解釈が成り立つ内容であれば、質問して具体化する。
そして出た意見を整理して、制限時間つまり納期内に結論へと議論を導いていき、
適任と思われる人に発表してもらう。
リーダーはそうしたっていいんです。
なんたって、目的は「チームのパフォーマンスを最大化する」なのだから。
ご存知の方もいるでしょう、こういう振舞いを「ファシリテーション」と言ったり
します(出た、カタカナ言葉・・・笑)。
これは会社における会議や仕事でも同じですよね。
リーダーは1人でなんでも背負いこまない。
立場上必要な決断は下すけど、仕事は適材適所でどんどん振って、周りの人を
上手く使う(いい意味ですよ!)。
「生み出す価値をMAXにする」ための最良の選択をする。
多くの人はもっとそんな発想をもっていいと思います。
それを円滑に進める為にも日頃の人間関係が重要になりますよね。
“言うは易く行うは難し”
そうですね、行うは難し。
でも「意識する」と「意識しない」では大違い。
中小企業や小さな会社の社長、現場をあずかる管理者はもちろん、あらゆる
ビジネスパーソンはこんな意識を持っておきたいものです。