昨日、Yahooニュースを見ていたら面白い記事が配信されていました。
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【カレー通販で成功、元プロボクサーが現役時代から欠かさない「お礼状」
商売もボクシングも「本質は同じ」】
HPはなく、広告は出していない。それでも全国から注文が相次ぐ「フクイの
カレー」は、リピーター率の高さが特徴的です。作っているのは、愛知県豊橋市
出身の元プロボクサー福井英史さん(54)。筆者がカレーを初めて注文した際、
同封されていた「手紙」の丁寧さに驚きました。購入者にお礼状は欠かさないと
いう福井さんは「本質をたどればボクシングと同じ」と話します。働き方が多様化
する現代、アスリートのセカンドキャリアを成功させた福井さんから、誠実な仕事
への思いを聞きました。(ライター・小野ヒデコ)
(引用:Yahooニュース 6/5(金)7:00配信)
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詳しくは同記事をご参照いただくとして、読んでいて嬉しくなるような
感心するような気分でした。
プロボクサー時代、ファイトマネーはチケットの売上だったそうで、収入を
増やすにはチケットを売らなきゃならない。
そして、当時のジムの会長から「いただきものをしたり、チケットを買っていた
だいたら、お礼状を書くように」と“耳にタコができる”ほど言われたそうです。
そういう指導をされた会長もスゴイですが、プロボクサーとはそれだけ厳しい
世界だったのですね。
そして、見様見真似で手紙を書き続けると2度、3度と会場に足を運んでくれる
人が出て来た…。
手紙の効果を福井さんはその時に実感されたのでしょうね。
その後、引退して今の「フクイのカレー」につながる事業を開業されます。
今でもカレーは「本当にこれでいいのか」と改善を重ねて磨きをかけ、購入して
くれた顧客に必ず直筆の手紙を添えて商品を発送する。
記事には実際の手紙の画像も添付されていましたが、時候の挨拶に始まり、
購入へのお礼、温めたり調理する際の注意点などが丁寧に綴られていました。
もちろん、購入された方のお名前も添えて。
“こんなことされたら、みんな惚れてまうやろー!”
いやー、これスゴイです。
みんながみんなリピートするわけではないにしても、これをされて誰一人として
イヤな気になる人はいないでしょう。
次に注文するかはともかく、誰もが嬉しい気持ちになるでしょうし、とてもいい
印象を持ち続ける。
そして、何かの折に注文したり、人に勧めたりということが起こります。
まさにランチェスター法則をなぞったような対応と言えます。
「商品」であるカレーに磨きをかけ、「客層」は通販客に絞り、「顧客維持」は
手書きのお礼状で関係を深める。強力な「接近戦」でもあります。
HPはないもののブログで情報発信をされており、全くのブラックボックスには
なっておらず、店主の人柄も垣間見れるようになっています(ここんとこも
重要なミソです)。
しかし、本当にHPもない(笑)
物販をしていて、HPがないというのは結構な衝撃です。
でもこれは小さな会社や弱者にも道はあることを示唆しています。
テレワークだZoomだと世の中はどんどん先に進化しており、それに遅れまいと
焦るような気にもなる中、超アナログな手法で人の心をつかんで虜にして、
まさにランチェスター法則でいう経営の目的である“お客様創り”=「新たに
お客を創り、維持して、増やしていく」を実践されているのです。
福井さんとて大変なことはたくさんあるでしょう。
でも、やるべきことを定め、それを続けている
(注文をいただいた全ての顧客に直筆の手紙を書くと言うのは大変な労力です)。
自分(私のことですね)はそれだけやっているか?
本当に頭が下がる思いです。
お金や人が不足している、立地が悪いなど不利な条件があったとしても、まだまだ
やれることはきっとある。
そんな風に私自身が励まされた記事でした。