新型ウィルスの影響を受け始めてから1年以上が経過していますが、
終息までは道半ばという感じです。
その間、様々な経済支援策が実施されていますが、助成金や補助金などは
ここしばらく多くの人が知るところとなりました。
特に補助金は既存の小規模事業者持続化補助金に「コロナ特別対応型」が
登場(これは既に終了し、新たに「低感染リスク型ビジネス枠」がスタート)、
加えて新しい補助金である「事業再構築補助金」が設けられるなど動きが
活発です。
これまでの小規模事業者持続化補助金の補助最高額100万円、ものづくり
補助金の1千万円に対して、なんとこの「事業再構築補助金」は通常枠で
最高6千万円(補助率2/3)という破格のスケールで、これを知った事業者さん
および支援する側の関係者とも色めき立ってるような(笑)
関係者にとってはちょっとした「補助金バブル?」な感もあります。
今回は補助金にまつわるお話をしたいと思います。
新登場の事業再構築補助金では申請者は「事業計画を認定経営革新等支援機関と
策定する」という条件がついています。
「認定経営革新等支援機関」とは経営に関する専門知識・実務経験が一定レベル
以上の者であると国が認定した公的な支援機関です。
これは会計士や税理士、法人、個人など様々な形態があり、因みに私も
認定支援機関です。
補助金は審査があり、分かりやすく言うと事業計画の中身について評価されて
点数をつけられます。
そして、点数が高いものが合格、つまり採択されます。
要は試験と一緒で成績がいい順に採択され、一定時点で終了となるわけです。
補助金額が高額になるものづくり補助金を例に取ると、事業者さんが自分で
計画を作って文書にまとめて申請というパターンがありますが、正直なところ
採択される確率は高くありません。
多くは外部の専門家の支援を受けて計画を策定して申請するパターンです。
従って、それらのブラッシュアップされた計画書で限られた採択枠を
争うという構図です。
結果、申請全体に対する採択率はおおかた30%台、という世界です。
そして、今回の事業再構築補助金は最初から外部の専門家である認定
経営革新等支援機関と一緒に計画を作ってね、ってことになっている
ワケです。
そうなると計画書の全体的なレベルが上がることから、かなり厳しい
争いになることが予想されます。
しっかりとした計画書を作るには取組もうとしているビジネスが
明確になっていることがきわめて重要になります。
しかし、これが事業者さんの中で漠然としていることが多々あります。
イメージはあるけど、言葉にできない、うまく表現できない、など。
それを事業者さんから上手く引き出し、整理していくことが
支援者の役割であり、その力が問われます。
質問力、ヒアリング力がキモなのです。
とにもかくにも事業者さんが自分で考え、何としてもビジネスや会社を
より良くするんだ、という本気度が重要です。
それがなければ採択は成しえません。
時々、事業内容や申請に関して全て丸投げ姿勢の事業者さんがいます。
あるいは補助金をもらうことありきで、取り組むビジネスはこれから考えます、
みたいな人とか・・・。
その場合は支援を断る、ということもあります。
事業者さんは本気か、実現性や収益性がちゃんと見込めるビジネスなのか、
最初の段階で支援機関はこれを見ています。
支援機関とすればヘタな計画書は出せません・・・
かつ採択されそうにない内容では計画書をまとめられません・・・
支援する側にとっても支援を引き受けるプレッシャーは大きいのです・・・(汗)
私の場合でいうと補助金支援をすると余裕がなくなって、それ以外の仕事が
全然手につかなくなります(笑)
ヒアリングに始まり、内容を整理して文書にまとめるにはかなりの
時間と労力を要します。
他の仕事を削って補助金支援に手間暇を投じることになり、その結果
採択されずに落ちました、は結構つらいものがあります。
もちろん、社長も本気、ビジネスもしっかり考えてある、それで支援に
取組んだ結果、落ちるのは仕方がないのですが(社長には申し訳なく、
仕方なくはないですが・・・)。
しかし、そんな面でも「イケそうな」案件かの見極めが重要になります。
多くの補助金はその年度で何度か分けて募集されますが、一般的には
早い段階での申請の方が採択率が高くなる傾向にあります。
補助金は採択までの道のりは大変ですが、返す必要がないお金である
ことから事業者さんには大きな助けになります。
まずは事業者さんにとってやりたいことや取り組みたいことがある。
そして、それが補助金の条件に合うのであれば是非とも挑戦することを
お勧めします。
事業再構築補助金の第1回目の応募締め切りは明日4月30日です。
今後の募集も順次詳細が発表になると思われますが、支援者が不足して
いて申請難民の方もいるとか・・・。
一緒に事業計画を作成してくれる認定支援機関を確保することも大事ですよ!
*これは全て私個人の感想です。一般的なことを述べている部分もあり、
個別の案件には合致しないこともあります。ご了承ください。