2023年1月10日から「コロナ借換保証制度」が始まりました。
改めておさらいすると「コロナ借換保証制度」とは「一定要件を
満たした中小企業」が「金融機関との対話」を通して「経営
行動計画書」を作成したうえで、「金融機関による継続的な
伴走支援を受けることを条件に、借入時の信用保証料を大幅に
引き下げる制度」のことです。
政府の肝入り施策なので、基本的に信用保証協会は前向きに
対応しますが、ときどき「コロナ借換保証を断られた」という
話を聞くことがあります。
今回は「コロナ借換保証を断られる理由」と「断られた時の対策」
についてお伝えします。
1.担当者が制度を知らないというケース
事業者がコロナ借換保証を依頼した時に、「そんな制度はない」と
担当者に言われたというケースがたまにあります。
その理由として考えられるのは、新しく創設された信用保証制度を
積極的に推進しない方針を採る金融機関の場合、担当者一人ひとりに
まで制度の通達が行き届いておらず、担当者が知らなかったという
ことがあります。
また、担当者が不勉強のために制度自体を知らない、理解していない
こともあります。
2.制度を知らない担当者に当たった時の対策
担当者が制度の存在を知らなかったときは、支店の貸付責任者に
問合せてみてください。
担当者が知らなくても、融資の責任者なら「そんな制度はない」
と答えることはまずないでしょう。
重要な制度については、必ず本部から通達が届いているためです。
3.「あなたの会社では使えません」と門前払いされたというケース
「あなたの会社はその制度で取り扱いできません」と門前払いをされた
というケースもあります。
コロナ借換保証制度を取り扱っても、金融機関にメリットはありません。
融資額が増えるわけでも、受け取り金利が増えるわけでもないからです。
むしろ、コロナ借換保証制度を取り扱うことで、「経営行動計画書の
作成サポート」や「年に一度の事業計画進捗報告書作成」などの
手間がかかる作業が増えてしまいます。
そんな理由から取り扱いに消極的な金融機関は少なくありません。
4.コロナ借換保証に消極的な金融機関だった時の対策
現在、取引している金融機関以外に懇意にしている金融機関が
あれば、そこにコロナ借換保証制度の借換え(肩代わり)を
依頼するのが建設的です。
肩代わりする側の金融機関は、融資額も受取り金利も増えます。
また、100%保証なら金融機関にリスクはありません。
さらに信用保証協会も「コロナ借換保証制度」については
積極的に認可してくれるため、「肩代わり」なら金融機関の
メリットが大きいのです。
制度上の理由で断られることもありますので、断られた場合は
「謝絶の理由」を聞くようにしましょう。
「謝絶の理由」が「納得できる」「致し方ない」という内容で
ある場合、他の金融機関に依頼しても取り扱ってもらえない
こともありますので、お気をつけください。