以前の記事でも触れましたが
新型コロナウィルス感染症特別貸付について
昨日(2022年9月9日)の日経朝刊に
【中小企業向け「ゼロゼロ融資」月内終了 資金需要が一巡】
という記事が載っていました。
「政府は8日、新型コロナウィルス禍で業績が悪化した中小企業の
資金繰りを支えた「実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)」を
9月末で終了すると発表した。足元で資金需要が一巡しているのが
理由で、危機対応も出口に向かう」
(日経朝刊より抜粋)
終了まであと20日しかありませんが、言い方をかえれば
あと20日あります。
新たな資金調達を考えている方や、借換を考えている方は
急げばまだ間に合います。
現在の「新型コロナウィルス感染症特別貸付」の概要
今さらですが、現在の「新型コロナウィルス感染症特別貸付」の
内容について言及すると、
●新型コロナウィルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を
来している方であって売上減少の要件を満たしている事業者が
利用できる
●融資限度額 8,000万円(別枠)
●3年目までは利子補給があるため、実質無利子。
4年目以降は基準金利
●無担保
となっています。
9月末で終了となると・・・
「新型コロナウィルス感染症特別貸付」は、新型コロナウィルスの
影響を受けた事業者を救済するための融資という性格があるため、
該当する事業者、特に初めてこの融資制度を利用する事業者に
とっては、審査のハードルが低いという大きな傾向があります。
また、あまりおおっぴらにはされていませんが以前、この
「新型コロナウィルス感染症特別貸付」を借りて、据置期間
(返済猶予期間)が終了し、返済が始まった事業者がこの制度を
使って「同額借換」を行うことで、据置期間(返済猶予期間)を
実質的に延長することも可能になります。
9月末で「新型コロナウィルス感染症特別貸付」が終了となると
新規で借りる場合は、たとえコロナの影響によるものであっても
審査のハードルは高くなりますし、同額借換も対応してもらえなく
なる可能性が高くなるため、「リスケ」をせざるを得ないことに
なります。
「リスケをしても審査に影響はありません」と公庫は言ってますが・・・
これは人伝で聞いたのですが、その方が先日、公庫の課長と話をした際、
「最近はコロナ融資の返済が始まった事業者から、”返済が厳しい
ので、返済猶予をお願いしたい”という要望が増えています」という
話を聞いたそうです。
そうした依頼には基本的には「リスケ(貸出条件変更)」で対応して
いるとのことです。
今まではリスケをすると、その事業者は新規融資を申込んでも貸して
もらえませんでしたが、課長によると
「コロナ融資に限ってはリスケしても、追加融資については
前向きに対応させていただきます」と言っていたとのこと。
しかし、ここには問題があり、確かに公庫は新規融資に対応して
もらえるかもしれませんが、「公庫でリスケしている」という事実が
ある限りは民間金融機関では、まず新規融資に応じてもらえません。
できればリスケは避けたいところなのです。
だから、同額借換をする方がいいのです。
公庫は9月末までに申し込めばOK
9月末まで残りもう少しですが、公庫の場合は9月末までに正式に
申込むと、その実行が10月以降になったとしても、「新型コロナウィルス
感染症特別貸付」として扱ってくれます。
ですから、新規融資や同額借換を希望されるのであれば、今すぐにでも
公庫に行って相談しましょう。
今ならまだ間に合います。
相談に行く際には、
●昨年の決算書・確定申告書
●直近までの試算表
●昨年から今年にかけての月別の売上がわかる資料
●借入を返済できることを説明できる資料
●事業計画書(あればベター)
といった書類を持参すれば、スムーズに話を進めることが出来ます。
残り少ない時間内で上手く進めるためにも、こうした準備が重要に
なります。
「新型コロナウィルス感染症特別貸付」などの「コロナ特別対応」が
終了すると、金融機関の融資姿勢も大きく変わってくることでしょう。
今後は特に「コロナ融資」のリスケが増えてくるのは間違いありません。
その対応に追われ、金融機関は新規融資を絞る可能性も十分になります。
またリスケを行うために、金融機関は事業者に対して「経営改善計画書」
の作成を求めます。
「経営改善計画書」を作成することができない事業者は、リスケを認め
られないこともあり得るでしょう。
そうした状況に対応するために今、金融機関は「認定支援機関の活用」
を積極的にしようとしています。
仮にそうした事態になった際には是非、「認定支援機関」など外部の
専門家を活用して、早急な対応をすることが肝心です。
融資や資金調達に際して困りごとや分からない点などがあれば
わたしたち融資コンサルタント協会のコンサルタントへ
是非ご相談ください。