中小企業に対して信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠を設けて借入債務の
100%保証をする制度であるセーフティネット保証4号(以下、S4)の受付期間が
来年3月1日まで3か月間延長されました。
簡単に言うとコロナの影響を受けて、前年に比べて売上が20%以上減少していれば、
市区町村がその売上減少を認定するものです(比較する月など条件は確認しましょう)。
実際にお金を融資する金融機関からすれば、S4保証があれば100%保証がついている
のでお金を貸しやすくなります。
今年の夏頃まではとにかく事業者に早く資金を供給することが優先されましたので
そこで資金調達した方が多かったと思います。
しかし、残念なことにコロナの勢いが下火になる気配が見えません。
連日のように1日の感染者数を更新するような状況です。
そうすると2回目の融資申込みを検討する必要が出てきます。
既にS4認定を受けて融資を受けている方でも、条件を満たしていれば再度S4認定は
受けられます。
ただし、それで融資が下りるかは金融機関、最終的には保証に立つ信用保証協会の
審査次第ということになります。
そして資金供給が優先された1回目と違い2回目の融資申込みでは審査が厳しくなる可能性が大きいです。
「本当に貸したお金を返してもらえるのか?」
これを冷静に判断されることになります。
コロナで売上や来店客などが思うように回復しない方々も多いでしょう。
だから融資の申込みをするのですよね。
業績が回復しなければ返済も計画通りに行かなくなるし、ここが悩ましいところです。
しかし、追加の資金調達の可能性を高めるためにできることもあります。
まずは資金繰り表と事業計画書を用意しましょう。
これで申込み金額の妥当性を見せると共にこの先の収益見通し、返済の実現性を
示すのです。
絵空事の計画では信用してもらえません。
でも厳しい状況だとしても、実現性のある数字を組み立て、丁寧な説明をすれば可能性は
高まります。
そして、既に取引のある金融機関、融資を得ている金融機関に相談をしましょう。
金融機関としては日頃から連絡を取り、現状や進捗について情報を積極的にくれる
事業者は評価してくれます。
彼らとて普通の人々であり、人と人の付き合いの部分は大きいのです。
日本政策金融公庫を利用していればS4認定や保証協会は関係ありませんが、
2回目の融資申込みに備えてやることは同じです。
資金繰り表や事業計画書をまったくのゼロから作るのは大変だったりします。
時間的余裕がない状況になり、やっつけで作ることにならないように日頃から
考え、頭の中を整理して書面への落とし込みを進めておきたいですね。