日本政策金融公庫のコロナ融資の返済開始時期のピークは
2021年6月、2022年6月とすでに到来していますが、
まだ返済開始になっていない事業者もいます。
また、何とか返済はしているけれど、その返済が負担になっている
という事業者は少なくありません。
そんな「コロナ返済が厳しい」事業者に対して、「返済据置期間」を
延長するために公庫は「同額借換」に前向きに取り組んでくれる
ことがあります。
しかし、もしかすると、その同額借換をできるのが9月末までに
なるかもしれません。
1.「同額借換」とは?
同額借換とは、以前にコロナ融資を借りた金融機関から、同額の
融資を再度行ってもらい、その資金で以前の融資の返済を行い、
新たに借りた融資の返済猶予期間を、今後1~5年にすることで
返済猶予期間を延ばす方法です。
例えば、2020年9月に3,000万円を借り、据置期間3年となると
返済が始まるのは2023年9月になります。
その返済が厳しいため、もう一度2023年9月に3,000万円を借り、
2020年に借りた3,000万円をその資金で返済するという方法です。
2.コロナ資金繰り支援継続プログラムは9月末で終了?
現在、日本政策金融公庫では、コロナ資金繰り支援継続プログラム
として、「スーパー低利融資(新型コロナウィルス感染症特別貸付)」
と「新型コロナ対策資本性劣後ローン」の2つの制度で対応しています。
これらの制度を使って同額借換を行うことになるのですが、
今のところこれら「コロナ資金繰り支援継続プログラム」は9月末で
終了する予定となっています。
3.「コロナ資金繰り支援継続プログラム」が終了する前にすべきこと
コロナ資金繰り支援継続プログラムが終了すると、同額借換による
据置期間(返済猶予期間)の延長が難しくなります。
そうなると無理してでも返済をするか、リスケを依頼せざるを
得なくなります。
公庫に「同額借換」を依頼しても、すぐには対応してもらえるわけ
ではありません。
依頼して正式申込みになるのに1~2週間はかかります。
申請が集中すると1か月程度かかることもあり得ます。
同額借換を希望するのであれば、少なくとも9月初旬までには、
公庫に依頼を行っておかないと時間切れになる可能性があります。
4.「コロナ資金繰り支援継続プログラム」が延長になる可能性も
今のところ、「コロナ資金繰り支援継続プログラム」は9月末で終了と
なる予定ですが、12月末もしくは2024年3月末まで延長になる可能性も
ゼロではありません。
ただ、以前の例ではその場合も、「延長の決定」が公表されるのは
終了予定月の中旬から後半頃でした。
この例に倣えば、今回の分が延長になるとしても、それが判明するのは
9月中旬かそれ以降です。
9月中旬の時点で「延長されない」ということが判明した後では、
同額借換を依頼しても間に合わない可能性が高くなりますので
念のために早めに公庫に連絡されることをお勧めします。
こうしたことはめったにしないので、慣れないものです。
是非、思い立った時や、内容について詳しく知りたい時は
私たちのような「詳しく知っている人」に相談してください。
「よく分からない」からと立ち止まったり、時間を浪費することが
ないようにしたいですね。