さて、3月末で決算を迎えた会社は
決算作業が進んでいることと思います。
実際にやるのは税理士さんなので
社長はただ待っているだけかもしれませんね。
出来上がるのを心待ちしている社長や
もうすっかり決算のことなんて忘れている社長も
いるでしょう。
さあ、そんな社長さん達が決算書が出来上がったら
やらねばならないことがあります。
それはなんでしょう?
そう金融機関の訪問ですね。
決算書が手元に来たら、取引をしている銀行、
信用金庫などの金融機関を訪ねる絶好の機会です。
この好機を利用しない手はありません!
この金融機関への訪問で押さえておくといい
ポイントを今回は解説します。
1.こちらから訪問しましょう
場合によっては金融機関の担当者が自社へ
来るケースもあるかと思います。
しかし、ここはこちらから金融機関へ出向きましょう。
理由は支店長や貸付担当役席など、取引において
重要なキーパーソンに会えるからです。
直接、彼らに会って業績について説明すれば
誠実な印象を与えることができますし、
自社の状況を理解してもらえます。
日頃からそうした関係性ができていれば
融資のお願いや提案依頼をした時に対応して
もらいやすくなります。
そりゃあ、全然接点がなくて、お互いを
知らないよりも、日頃からよく知った人で
あれば、対応してくれるというものです。
ましてや自らが足を運ぶことで面会を
重ねれば親近感も湧くでしょう。
金融機関の担当者が「決算書を取りに伺います」と
言ったとしても、自らが行くことを伝えて
担当者に段取りをしてもらう方がいいです。
担当者に来てもらい、内容を説明したとしても
それが正確に支店長や貸付担当役席に伝わる
ことはなかなかありません。
是非、金融機関を訪問していただきたいと思います。
2.決算書は一式を渡しましょう
金融機関には貸借対照表、損益計算書を渡してOK、
ではありません。
かならず一式を渡すことが肝心です。
貸借対照表、損益計算書はあくまでもサマリー
(まとめ)です。
それだけでは正直、決算の内容は判断できません。
重要なのは勘定科目内訳書。
これなければ、渡した意味がほぼなくなってしまいます。
勘定科目内訳書の中を見て、初めて実態が見えてきます。
逆を言うと・・・社長からしたらあまり見せたく
ないものまで見られるかもしれません。
しかし、それは諦めましょう 笑
それはそれとして、事業の現状を誠実にご説明ください。
もちろん、黒字決算の時だけでなく、赤字決算の時も
訪問してくださいね。
赤字だと評価が下がるのでは・・・など心配に
なるかもしれませんが、黒字だろうと赤字だろうと
変わらず訪問して説明する姿勢こそが評価されるはずです。
3.すべての金融機関に同じ対応をしましょう
複数の金融機関と付合いがある場合、当然
取引額の大きい小さいなど相手によって差があるでしょう。
しかし、どの金融機関にも分け隔てなく訪問して
同じように決算内容の説明をしましょう。
金融機関は横並び意識が強い組織です。
そして、融資状況や関係性など他行の動向を
意識しています。
あそこには訪問してるのに、うちには連絡さえもない・・・。
なんてことになってもいいことは起こりません。
取引の大小にかかわらず同じようにしてください。
困った時に助けてくれるのはどこの金融機関かは
分からないですから。
4.訪問時には今後の見通しも文書で渡しましょう
せっかくの訪問。決算内容の説明だけで終わるのは
もったいない。
ぜひ今期の見通しや計画についても話をしましょう。
その時には必ずA4紙1枚でいいので文書にします。
人は口頭で聞いただけでは忘れてしまいます。
ましては金融機関はいまだ紙文化が根強いところ。
関係者の方たちに周知されるためにも文書で
計画を渡すと効果が上がります。
とまあ、いろいろとつらつら書きました。
が、要するに簡単にまとめると決算書が
できあがったという絶好のきっかけがある
のですから、これを理由に大事な人に会いに
金融機関に行こう、ということです。
相手も人の子、自ら会社の業績を伝えるために
時間と足を使ってきてくれる社長に対して
イヤな気が起こるはずもありません。
会う回数が多くなるほど、親近感も高まります。
これも必要な時に必要な資金を調達できるように
社長が取組む大事なお仕事ですよ。