2023年8月30日(水)、経済産業省が
「挑戦する中小企業応援パッケージ」を公表しました。
20230830002-1.pdf (meti.go.jp)
このパッケージは経済産業省が金融庁・財務省と連携し、中小企業の
持続的成長を支援するために策定されたものです。
おもな支援策は「将来の挑戦に向けたコロナ資金繰り支援」と
「挑戦する中小企業の経営改善・再生支援の強化」の２点。
この「将来の挑戦に向けたコロナ資金繰り支援」に2023年10月以降の
「コロナ融資」の取り扱いが記載されていますので、その内容を
解説させていただきます。
１．「新型コロナウィルス感染症特別貸付」⇒ 2024年３月末まで延長
2023年９月末で終了予定となっていた日本政策金融公庫の
「新型コロナウィルス感染症特別貸付」が、2024年3月末まで延長される
ことになりました。
来年３月末までは「同額借換による返済据置期間の延長」の依頼が
可能です。
ただし、今までより金利が上がります。
2023年９月末までは「新型コロナウィルス感染症特別貸付」の金利は
「基準金利－0.9％」でしたが、2023年10月以降は「基準金利－0.5%」と
0.4%(ポイント)上がります。
２．「セーフティネット４号での新規融資」⇒ 2023年9月末で終了
信用保証協会の保証つきで民間金融機関から借り入れられるコロナ融資の
ひとつ「セーフティネット４号(100%保証)」において、新規融資のみの
取扱いが2023年９月末で終了しました。
なお、セーフティネット４号自体の取扱いは当面、引き続き2023年12月末
までは「同額借換」や「増額借換」は可能です。
ただし、「コロナ借換特別保証制度」は2024年３月末までとなっています。
あらためて2023年12月初旬前後に「2024年３月末まで延長」という
アナウンスがあると思われます。
３．「セーフティネット貸付の金利引下げ措置」⇒ 2024年３月末まで延長
あまり知られていませんが現在、「原油価格上昇をはじめとした原材料・
エネルギーコスト増の影響」、「ウクライナ情勢の影響」、「物価高騰の
影響」を受け、利益率が減少している事業者は「セーフティネット貸付
(経営環境変化対応資金)」を申し込むことができます。
金利は2023年９月末まで基準金利より0.4~0.7％引き下げられていましたが、
この措置が2024年３月末まで延長されます。
４．「コロナ資本性劣後ローン」⇒ 2024年３月末まで延長
コロナ資本性劣後ローンについては、貸付限度額を10億円⇒15億円と
引き上げたうえ、2024年３月末まで延長されます。
コロナ融資の返済を先送りするために「同額借換」という方法はとても
有効なのですが、それができるのも2024年３月末までになりそうな気配
です。「同額借換」を希望される事業者は早めの対応をお勧めします。