事業をやっていれば金融機関から資金調達をすることもあるでしょう。
その時はできるだけ手早く、手間を少なく、円滑に進めたいものです。
それを実現するにはこちらから十分な情報を提供することが肝心です。
今回はそんなお話です。
1.金融機関における融資審査とは
金融機関ではどのような流れ、手続きを経て融資判断をしているか、
それを知っておくことは重要です。
それを知っておくことは重要です。
1-1 融資審査の流れ
各銀行や信金により多少の違いはあるでしょうが、
おおむね審査は以下のような流れで進みます。
(1)事業者から融資の打診
(2)打診を受けた担当者が上司へ報告
(3)打診に応じるかどうかの検討
事業者からの打診の段階では「資金調達」をしたい、というレベルの
ざっくりとした内容だけを伝えることがあります。
詳細な条件などもなく、とりあえず担当者は経営者の意思だけを受けて
持ち帰りになるケースです。
担当者は上司にそれを報告し、その時点で把握している当該企業の状況などに
より対応を進めるか否かの方針を判断します。
おおむね審査は以下のような流れで進みます。
(1)事業者から融資の打診
(2)打診を受けた担当者が上司へ報告
(3)打診に応じるかどうかの検討
事業者からの打診の段階では「資金調達」をしたい、というレベルの
ざっくりとした内容だけを伝えることがあります。
詳細な条件などもなく、とりあえず担当者は経営者の意思だけを受けて
持ち帰りになるケースです。
担当者は上司にそれを報告し、その時点で把握している当該企業の状況などに
より対応を進めるか否かの方針を判断します。
1-2 その後の対応
ここでとりあえず対応を「進める」という判断が下されると、以下のように進みます。
(1)担当者が稟議書作成に必要な情報を事業者からヒアリング
(2)収集した情報を基に当該企業について詳細な分析、実態把握
(3)融資稟議書の作成
(4)貸付担当責任者や支店長による審査
(5)支店決済額を超えるなら、本部による審査、決済
金融機関における融資審査のキーポイントは担当者が作成する「稟議書の出来栄え」。
これが重要になります。
端的に言えば、担当者が質の高い稟議書を作れば融資の確率が高まり、低ければ下がります。
融資の可否を左右するとても大事な要因なのです。
しかし、事業者は担当者を選ぶことはできません。
そこは運ではありますが、質の高い稟議書を書いてほしいものです。
(1)担当者が稟議書作成に必要な情報を事業者からヒアリング
(2)収集した情報を基に当該企業について詳細な分析、実態把握
(3)融資稟議書の作成
(4)貸付担当責任者や支店長による審査
(5)支店決済額を超えるなら、本部による審査、決済
金融機関における融資審査のキーポイントは担当者が作成する「稟議書の出来栄え」。
これが重要になります。
端的に言えば、担当者が質の高い稟議書を作れば融資の確率が高まり、低ければ下がります。
融資の可否を左右するとても大事な要因なのです。
しかし、事業者は担当者を選ぶことはできません。
そこは運ではありますが、質の高い稟議書を書いてほしいものです。
2.事業者がやるべきこと
融資の可否は担当者が作成する稟議書に大きく左右される、
と書きました。
事業者や社長本人が稟議書を書くわけにはいきませんが、稟議書の質を
高めるためにできることはあります。
と書きました。
事業者や社長本人が稟議書を書くわけにはいきませんが、稟議書の質を
高めるためにできることはあります。
2-1 金融機関に伝えるべきこと
事業者が最初に融資の打診をする際に「希望金額」くらいしか伝えない
ことがあります。
しかし、これだけでは担当者は上司へ報告にしようもなく、「取り組むべきか否か」の
十分な判断をすることもできません。
ヒアリング時に詳しく伝えるのは当然として、その前段階の打診時にできるだけ
十分な情報を渡すことが大切です。
そうすることでしっかりと準備をして打診をしている、と担当者や上司からの
印象も良くすることができます。
ことがあります。
しかし、これだけでは担当者は上司へ報告にしようもなく、「取り組むべきか否か」の
十分な判断をすることもできません。
ヒアリング時に詳しく伝えるのは当然として、その前段階の打診時にできるだけ
十分な情報を渡すことが大切です。
そうすることでしっかりと準備をして打診をしている、と担当者や上司からの
印象も良くすることができます。
2-2 必要十分を満たす情報項目
先述したように最初の打診時に必要十分な情報を提供しましょう。
ではどのようなことを伝えればよいか。
具体的には以下のようなものです。
(1)金額
(2)金利
(3)実行希望日
(4)資金使途
(5)貸出期間と据置期間
(6)保全(担保、保証人)
(7)融資効果
(8)返済原資
金利や貸出期間など融資の条件は金融機関から示されるもの、と思っている
かもしれません。
しかし、そんなことはありません。
よっぽど現実離れしたものでなければ、こちらから希望を伝えることは大丈夫です。
何も言わないより、多少なりとも有利な条件に落ち着くこともあります。
打診時に上記の情報を提供することができれば十分でしょう。
これをA41枚で構わないので、必ず文書にして渡します。
口頭ではダメです。
なぜなら、口頭だけでは担当者から上司への「伝言ゲーム」になるからです。
また文書を渡すことによって、用意周到さをアピールすることができます。
ではどのようなことを伝えればよいか。
具体的には以下のようなものです。
(1)金額
(2)金利
(3)実行希望日
(4)資金使途
(5)貸出期間と据置期間
(6)保全(担保、保証人)
(7)融資効果
(8)返済原資
金利や貸出期間など融資の条件は金融機関から示されるもの、と思っている
かもしれません。
しかし、そんなことはありません。
よっぽど現実離れしたものでなければ、こちらから希望を伝えることは大丈夫です。
何も言わないより、多少なりとも有利な条件に落ち着くこともあります。
打診時に上記の情報を提供することができれば十分でしょう。
これをA41枚で構わないので、必ず文書にして渡します。
口頭ではダメです。
なぜなら、口頭だけでは担当者から上司への「伝言ゲーム」になるからです。
また文書を渡すことによって、用意周到さをアピールすることができます。
3.融資審査における金融機関の着眼点
では金融機関はどのような視点から審査をするのでしょうか。
その内容を見ていきましょう。
その内容を見ていきましょう。
3-1 定性面
定性面と定量面がありますが、まずは数値化できない要素で
ある定性面から。
(1)経営者
経営者そのものをまず見ます。
中小企業はほとんど経営者で決まります。
何よりも重要、全てと言っていいほどの要素です。
・資質
・人柄
・経営に必要な知識の有無
・コミュニケーション力
・計数管理能力
・健康状態
ほかにもありますが、主にはこのようなところです。
(2)企業をとりまく外部環境
業界や競合他社との中における当該企業の立ち位置などを検討。
・業界動向
・市場の成長性
・主力商品、サービスの成長性
・競合他社との力関係 など
(3)企業の内部環境
担当者といえど、取引先企業内部のことは案外知りません。
特に着任して日が浅ければ、ほどんど知らないという前提に
立つべきです。
・顧客ターゲット
・商品、サービスの特徴(競争優位性)
・他社と比較した場合の強み
・仕入先、販売先の状況
・潜在客を見つけ、顧客にする仕組み など
先述したように金融機関や担当者が何事にも精通している、
なんてことはありません。
だからこそ、こちらから情報を提供することが大切になります。
ある定性面から。
(1)経営者
経営者そのものをまず見ます。
中小企業はほとんど経営者で決まります。
何よりも重要、全てと言っていいほどの要素です。
・資質
・人柄
・経営に必要な知識の有無
・コミュニケーション力
・計数管理能力
・健康状態
ほかにもありますが、主にはこのようなところです。
(2)企業をとりまく外部環境
業界や競合他社との中における当該企業の立ち位置などを検討。
・業界動向
・市場の成長性
・主力商品、サービスの成長性
・競合他社との力関係 など
(3)企業の内部環境
担当者といえど、取引先企業内部のことは案外知りません。
特に着任して日が浅ければ、ほどんど知らないという前提に
立つべきです。
・顧客ターゲット
・商品、サービスの特徴(競争優位性)
・他社と比較した場合の強み
・仕入先、販売先の状況
・潜在客を見つけ、顧客にする仕組み など
先述したように金融機関や担当者が何事にも精通している、
なんてことはありません。
だからこそ、こちらから情報を提供することが大切になります。
3-2 定量面
次に定量面、つまり数字に表されることに着目します。
まず、当然の対象として「決算書」です。
趨勢を知るために決算書を3期分を見比べて、大きく変化した
項目や傾向を把握します。
定量面で主に確認するのは以下となります。
(1)現預金残高
業種・業態やビジネスモデルにより目安は様々ですが、
月商の1~3か月程度を目安にどのくらいあるかを見ます。
(2)受取手形・売掛金
顕著に増えていれば「取引条件の悪化」や「不良債権の存在」、
もしくは「粉飾」の可能性も検討します。
もし「粉飾」と見なされたら、つまり「犯罪」ですから即「アウト」です。
まあ、実際は金融機関が事業者に「粉飾してますね」とは
言わないでしょうが・・・
だから怖いともいえるのです。
(3)在庫
「不良在庫」の可能性がないか確認します。
また売掛金同様、粉飾する際の数字操作に使われやすので警戒します。
(4)貸付金
貸付金は金融機関が嫌がる項目です。
貸付金は事業のために融資したお金が経営者個人に流れている、
と疑われることがあります。
もし、そうであれば「転貸」となり、これも約束した資金使途に
違反するので「アウト」です。
(5)損益計算書
もちろん売上や利益率、利益額など数字そのものと推移を見ます。
もし、営業赤字など業績が悪いとしても、なぜそうなったのか、
今後どのようになるかなど、回復の見込みを示せれば前向きに
検討してもらうことができます。
もちろん、こちらからそうした補足情報を渡してあげないと
金融機関として上辺の数字だけで判断せざるを得なくなります。
それではもったいないですよね。
まず、当然の対象として「決算書」です。
趨勢を知るために決算書を3期分を見比べて、大きく変化した
項目や傾向を把握します。
定量面で主に確認するのは以下となります。
(1)現預金残高
業種・業態やビジネスモデルにより目安は様々ですが、
月商の1~3か月程度を目安にどのくらいあるかを見ます。
(2)受取手形・売掛金
顕著に増えていれば「取引条件の悪化」や「不良債権の存在」、
もしくは「粉飾」の可能性も検討します。
もし「粉飾」と見なされたら、つまり「犯罪」ですから即「アウト」です。
まあ、実際は金融機関が事業者に「粉飾してますね」とは
言わないでしょうが・・・
だから怖いともいえるのです。
(3)在庫
「不良在庫」の可能性がないか確認します。
また売掛金同様、粉飾する際の数字操作に使われやすので警戒します。
(4)貸付金
貸付金は金融機関が嫌がる項目です。
貸付金は事業のために融資したお金が経営者個人に流れている、
と疑われることがあります。
もし、そうであれば「転貸」となり、これも約束した資金使途に
違反するので「アウト」です。
(5)損益計算書
もちろん売上や利益率、利益額など数字そのものと推移を見ます。
もし、営業赤字など業績が悪いとしても、なぜそうなったのか、
今後どのようになるかなど、回復の見込みを示せれば前向きに
検討してもらうことができます。
もちろん、こちらからそうした補足情報を渡してあげないと
金融機関として上辺の数字だけで判断せざるを得なくなります。
それではもったいないですよね。
4.まとめ
実際においては幅広く、様々な視点で審査がなされます。
ここに書いたものはその一部でしかありません。
しかし、大事なことは
「こちらから十分な情報を提供する」こと。
もちろん、融資審査がスムースに進むよう、自社に審査が
有利に働くように意識することです。
ただ、間違った情報やウソをダメです。
悪い情報も正直に話した方がいいでしょう。
それはそれでその素直さを評価してもらえます。
とはいえ、実際に融資に依頼に際して、これらの情報を抜け漏れなく
経営者自身が用意することは難しいでしょう。
なにせ慣れないことですから。
だからこそ、融資申請に際して、どの情報を提供したらいいか、どのように
提供したらいいか、などお迷いの際には是非ご相談ください。
ここに書いたものはその一部でしかありません。
しかし、大事なことは
「こちらから十分な情報を提供する」こと。
もちろん、融資審査がスムースに進むよう、自社に審査が
有利に働くように意識することです。
ただ、間違った情報やウソをダメです。
悪い情報も正直に話した方がいいでしょう。
それはそれでその素直さを評価してもらえます。
とはいえ、実際に融資に依頼に際して、これらの情報を抜け漏れなく
経営者自身が用意することは難しいでしょう。
なにせ慣れないことですから。
だからこそ、融資申請に際して、どの情報を提供したらいいか、どのように
提供したらいいか、などお迷いの際には是非ご相談ください。