ランチェスターで戦略と戦術を説明すると

いきなりですが「戦略」と「戦術」、その違いって分かりますか?

日頃、聞くこともある言葉であり、何となく分かっているけど、説明しろって

言われるとできるような、できないような・・・(笑)

結構、人によって説明がバラつくかもしれませんね。

ランチェスター法則ではこの違いはハッキリと定義しています。

しかも、とーっても大事な部分なのです。

面白いのはその言葉の起源を古代ギリシャにもとめているところにあります。

古(いにしえ)のギリシャでは掃除を専門にする人をタクティコースと呼んでいた

そうです。

彼らは道具を使い、手や体を繰り返し何度も動かして汗をかく。

兵士も訓練する時に兵器を持ち、手や体を繰り返し動かして汗をかく。

そこから兵士のことをタクティコースと呼ぶようになりました。

戦術とはこの「兵士の術」となり、に1対1の勝ち方、または部分部分の勝ち方と

いうことになります。

一方、古代ギリシャでストラテジアと呼ばれていた「戦略」は「将軍の術」にあたり

「軍全体の効果的な勝ち方、またはそのルール」になります。

つまり、見ている対象、視野の広さ、時間軸などが「戦術」と「戦略」では全く

違うのですね。

これを今に置き換えると「兵士」は「従業員」、「将軍」は「社長」になります。

そして、「経営戦略とは業績を良くするための全社的なやり方」となり、それを

考え、決めるのは「社長の術」になります。

日頃の業務で言えば、現場の仕事や日々で繰り返す作業は「戦術」となり、それは

「従業員」の仕事。

対して、会社をどのように成長させていくか、その筋道=「戦略」を考えるのは社長。

これこそが社長の仕事であり、専任事項です。

しかし、ある程度の規模に成長した会社はともかく、特に従業員10人以下の小さな

会社の場合、社長が「戦略」も「戦術」も担うことが殆どであり、その負担はとても

重くなります。

でも、ここが頑張りどころであると共に「自分の役割」を理解しているか否かで

大きな差が生じるところなのです。

目の前の業務で慌ただしく毎日が過ぎ去り、それなりの充実感を感じることも

あるでしょうが、それは「兵士」として「戦術」をこなしているに過ぎず

本来的には社長がやることではありません。

「社長」は是非、「社長としての役割」を認識して、「戦術」はできるだけ

従業員に任せるなど、自身がやるべき仕事に優先的に取り組めるように環境を

整える、自分も周囲も意識を変えることが重要になります。

がんばれ社長!